全称文は、古い論理学(アリストテレスの三段論法を使った論理学)でも、記号論理でも、重要な位置を占める文の形式である。
全称文「すべてのF はG である」
∀x(Fx→Gx)
この文形式について、ふつう人が直感的に持つのはオイラー図であろう。
オイラー図による全称文の表現

集合とも相性がよい。F とG を集合とみなせば、全称文は包含関係と同一視される。
破線部は不周縁(undistributed)を表す。
実際、アリストテレスの論理学(古い論理学)は、この形式で考えられていったように思われる。
ヴェン図による全称文の表現

集合による考察といえばヴェン図という感じもするが、実はヴェン図はそんなに使い勝手がよくない。
上掲図でF とG は常に固定されている。そして塗りつぶした箇所が空集合だ、といって全称文がヴェン図で表される。
いっていることはオイラー図と同じなのだが、ヴェン図の方がすこぶるわかりにくい。
ヴェンとオイラーについては以下の記事を参照してください。

ヴェン(ベン)図とオイラー図
John Venn (1834-1923)円や丸を描いて概念や集合をイメージする、という知的作業は非常に自然な(生得的、直感的)なもので、わざわざ、それをヴェンやらオイラーに帰するのは、うなずけないところがある。しかし、それでも慣例的に、ヴ...
以上の話は古い論理学の教科書に載っています。

『論理学入門』(岩波書店)
Leonhard Euler (1707-1783)古い論理学というのは、記号論理以前のアリストテレス論理学のことをいいます。書店で論理学の本を探すと、決まって「記号論理」の本と「古い論理学」の本が混在していることに気づくでしょう。古い論理...

『論理学綱要』(内田老鶴圃,うちだろうかくほ)
John Venn (1834-1923)古い論理学(アリストテレスの三段論法を使った論理学)の代表的な教科書として岩波書店の『論理学入門』を紹介しました。もう一冊、見るだけで図書館の香りが蘇るような本として『論理学綱要』を取り上げさせても...


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