ドイツ語参考書の問題:『ドイツ語広文典』から

ドイツ語

 

 

フランス語やドイツ語を学習するに際して、大きな問題となっているのが英語のようなわかりやすい参考書がない、ということである。

 

学者が(フランス語やドイツ語の)参考書を書いている、ということは言い訳にならない。『ロイヤル英文法』は、ほぼ学者頭の人達が書いているのだから。

 

 

例文のひどさ

 

ひとつ例をあげよう。

 

最近、ドイツ語の関係代名詞について調べていて、次の例文に突き当たった。

 

Es ist eine Reihe von Jahren her, als zu dem Artillerieregiment, welches hier in Garnison steht, ein Hauptmann versetzt wurde, der aus dem Westen Deutschlands kam.

この記事で紹介した『ドイツ語広文典』p.176より)

 

私(管理人)が調べたかったのは、先行詞(ドイツ語では相関詞と呼ばれる)に対し複数の関係代名詞がかかわる場合どうなるか、ということであった。

 

しかし、その情報を得るのに上掲例文では難しすぎるのである。レベル的にはドイツ語検定1級に到達している。

 

 

一応読んでみる

 

とりあえず上掲例文を読んでみよう。

 

Es ist eine Reihe von Jahren her, als zu dem Artillerieregiment, welches hier in Garnison steht, ein Hauptmann versetzt wurde, der aus dem Westen Deutschlands kam.

ここの駐屯地(Garnison)に滞在している砲兵連隊(Artillerieregiment)へと、
西ドイツ出身の大尉(Hauptmann)が転任させられてから、
数年になる。

Es ist …, als …:英語でいうと関係副詞als(~したとき)を使った強調構文(『必携ドイツ文法総まとめ』p.100参照)

eine Reihe von :a lot of「たくさんの」(『アクセス独和辞典』p.1237)

her:或る時までに(『アクセス独和辞典』p.744)

 

読んでいる人は、これだけでは文法事項、単語事項の説明が全然足りない、と思うだろう。その位、この文は難しい。

 

 

余計なことを盛り込み過ぎる

 

ひと言でいえば上掲例文は悪文である。

 

調べたいこと、そして説明したいことは「先行詞(ドイツ語では相関詞と呼ばれる)に対し複数の関係代名詞がかかわる場合どうなるか」なのだから読者に余計な手間をかけさせずに、つまりできる限り簡易な言葉を選んで、ポイントを伝えられるような例文を選ばなければならない。

 

ちなみに、というか、これが一番重要なのだが、上掲例文で示されている文法事項は以下のことである。

 

同一文の中で先行詞Aに関係文1を従わせ(上記例だとArtillerieregiment, welches)、先行詞Bに関係文2を従わせたい(上記例だとHauptmann …, der)時、普段は使われない関係代名詞welcherが使われる。より一般的には異なる関係詞が使われる。

この記事で紹介した『ドイツ語広文典』p.176より)

 

このことを説明するためには、できる限り簡単な例文を用意すべきである。

コメント(ディスカッション)