フェルミ=ディラック分布についての質問と回答

物理学確率量子力学

フェルミ(Enrico Fermi 1901-1954)

 

 

フェルミ=ディラック分布(Fermi-Dirac distribution)は、シュレーディンガーの猫を理解するカギになる。

 

竹内淳の以下の本p.189が一番わかりやすいとおもう。

 

 

Yahoo知恵袋でのやり取り

 

以下は、それ(フェルミ=ディラック分布)について私(管理人)が質問した時のやり取りを要点をまとめ、書き直したものである。

 

質問:量子力学についての質問です。質問者は高校物理レベルの知識しかありませんので、数学的道具立て等において、大学レベルでの回答はご勘弁お願いします。

以下の解釈でよいでしょうか。 (気体分子を扱う)マクスウェルボルツマン分布も、(電子を扱う)フェルミディラック分布も、 「確率分布」とみなすことができる。

もちろん基本は、エネルギー分布ですが、 xy軸で例えばx軸を確率、y軸をエネルギーと取っているから、確率分布ともみな「せる」。

 

これに対して回答を頂いた。それが以下になる。

 

回答:どちらも確率分布ではなく、あるエネルギーを取る粒子の「個数」を表しています。

もし確率分布である場合、エネルギー-∞〜∞まで積分を取ると1になる必要があります (ある粒子がエネルギー-∞〜∞を持つ確率は100%だから)。

しかしマクスウェルボルツマン分布もフェルミディラック分布もそうなっていません。

ただ確率分布は、粒子数一定の系の場合、系の粒子数でマクスウェルボルツマン分布やフェルミディラック分布を割ってやれば出せます。

そういう意味では確率分布に近いものではあると思います。

 

これは本当に素晴らしい回答だと今でも思っている。

 

つづき

 

しかし私(管理人)は、まだ質問を続けた。

 

質問:①ご返答ありがとうございます。竹内淳『高校数学でわかる ボルツマンの原理』だと、p.171, p.189で横軸がともに存在確率と表記されています。これを念頭に置いて質問したのですが、どうでしょうか。

②>粒子数一定の系の場合・・・確率分布に近いものではあると思います。
これは、ただの相対頻度ではないでしょうか(「系」という言葉が苦手なのでかみ砕いで説明して頂きたいともいます。”xyz軸から成る特定の体積”など)。

③ いずれにせよ(①にせよ②にせよ)粒子数というのは、ミクロの世界では「実際に数えたものではない」ため、このような話では相対頻度(本来実際に数えるべき統計)と、確率の境界線が曖昧になる。ゆえに竹内さんも「存在確率」という言い方をした。ーーーという理解でよろしいでしょうか。 視点が違うと思うので、とっつきにくい返信かとおもいますが、お付き合いいただけると幸いです。

 

これに対する回答が以下(同じ回答者)。

 

回答:①③ 本を持っていないのでわからないのですが、実験的に分布を測定するような場合を考えているのでしょうか? それとも理論的に分布を導出する話でしょうか?

もし理論の話をしているのであれば、単なる書き間違いか、粒子数一定の系を暗黙のうちに仮定しているのではないでしょうか? (たとえば「粒子数が最初からN個と決まっており、粒子が通りぬけられない箱の中にある」など)

マクスウェルボルツマン分布もフェルミディラック分布も粒子数が一定でない系を扱えると思います 「系」というのはここでは「考えたい物理的状況」のことを言っています (たとえば「断熱された箱の中にある温度Tの気体」など)

 

回答つづき。

 

回答:② 相対度数ではなく確率分布だと思います。

実際に「箱の中の気体分子のエネルギーを1つずつ取り出して標本調査した場合の規格化された分布」であれば相対度数と言えますが、マクスウェルボルツマン分布もフェルミディラック分布もそのような標本調査のたまものというわけではなく、統計力学の理論から導かれているものです

 

それに対する私(管理人)の落ちどころ。

 

質問終:了解しました。

>単なる書き間違いか・・・

書き間違いはないとおもいますが、2つ頂いたご回答から、私なりの誓いを導きだせそうです。ありがとうございます。

 

このやり取りは、とてもタメになった。

 

フェルミ=ディラック分布という物理学か化学の専攻でなければ接しない考え方を直(じか)に使って考察することができたからである。

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