『論理学綱要』(内田老鶴圃,うちだろうかくほ)

哲学文献案内論理学

John Venn (1834-1923)

 

 

古い論理学(アリストテレスの三段論法を使った論理学)の代表的な教科書として岩波書店の『論理学入門』を紹介しました。

『論理学入門』(岩波書店)
Leonhard Euler (1707-1783)古い論理学というのは、記号論理以前のアリストテレス論理学のことをいいます。書店で論理学の本を探すと、決まって「記号論理」の本と「古い論理学」の本が混在していることに気づくでしょう。古い論理...

 

もう一冊、見るだけで図書館の香りが蘇るような本として『論理学綱要』を取り上げさせてもらいます。

 

注意:本記事は本書の学術的な位置づけを大まかに伝えるもので、詳細に内容を紹介するものではありません。

 

心理学者の書いた論理学書

 

かなり古い論理学の本になります。下記リンク先で確認できます。

 

https://amzn.to/3OpSGMR

 

著者の須藤新吉氏はヴント心理学の研究者で、この時点で、彼にとって論理学がどのようなものであったか想像できます。

 

心理学者だから、ということもありますが、結論からいうと、本書を使って論理学の勉強をしてはいけないです。

 

いけないですが、それなりに知的刺激を受けることはできます。

 

まず、記号論理登場以前の、知識人(哲学者など)の論述を辿る時、その歴史的背景を知るのに本書は役立ちます。

 

昔の学術書らしくドイツ語で訳語が宛(あて)がわれていることが多く、好きな人には響く内容といえるでしょう。

 

ただ、私(管理人)自身は、そういった知的アプローチには最近、結構ドライな目を持つようになってきています。

 

 

色々な推論の型を知りたい人には役に立つかも

 

本書『論理学綱要』を手に取ることによって、昔の文献(哲学書など)などで出て来る独特の論理学用語について学ぶこともできます。二、三あげてみましょう。

 

省略三段論法 Enthymeme

両刀論法の角の間へ逃げる

複合三段論法  Polysyllogism

前起三段論法  Prosyllogism

 

こういった用語法を調べるのに本書は役に立つと思います。

 

書誌情報

 

本書はかなり古い本です。

 

発売日:  1981年04月
著者/編集:  須藤新吉
出版社:  内田老鶴圃
発行形態:  単行本
ページ数:  276p
ISBN:  9784753660223

 

これは新版の情報で初版は、大正15年(1926年)になります。ただ、ここまで述べた通り、それなりに「味わい深い」論理学の本でもあります。

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