古い論理学(アリストテレスの三段論法を使った論理学)の代表的な教科書として岩波書店の『論理学入門』を紹介しました。

もう一冊、見るだけで図書館の香りが蘇るような本として『論理学綱要』を取り上げさせてもらいます。
注意:本記事は本書の学術的な位置づけを大まかに伝えるもので、詳細に内容を紹介するものではありません。
心理学者の書いた論理学書
かなり古い論理学の本になります。下記リンク先で確認できます。
著者の須藤新吉氏はヴント心理学の研究者で、この時点で、彼にとって論理学がどのようなものであったか想像できます。
心理学者だから、ということもありますが、結論からいうと、本書を使って論理学の勉強をしてはいけないです。
いけないですが、それなりに知的刺激を受けることはできます。
まず、記号論理登場以前の、知識人(哲学者など)の論述を辿る時、その歴史的背景を知るのに本書は役立ちます。
昔の学術書らしくドイツ語で訳語が宛(あて)がわれていることが多く、好きな人には響く内容といえるでしょう。
ただ、私(管理人)自身は、そういった知的アプローチには最近、結構ドライな目を持つようになってきています。
色々な推論の型を知りたい人には役に立つかも
本書『論理学綱要』を手に取ることによって、昔の文献(哲学書など)などで出て来る独特の論理学用語について学ぶこともできます。二、三あげてみましょう。
省略三段論法 Enthymeme
両刀論法の角の間へ逃げる
複合三段論法 Polysyllogism
前起三段論法 Prosyllogism
こういった用語法を調べるのに本書は役に立つと思います。
書誌情報
本書はかなり古い本です。
発売日: 1981年04月
著者/編集: 須藤新吉
出版社: 内田老鶴圃
発行形態: 単行本
ページ数: 276p
ISBN: 9784753660223
これは新版の情報で初版は、大正15年(1926年)になります。ただ、ここまで述べた通り、それなりに「味わい深い」論理学の本でもあります。



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