表紙画像の問題①:死後70年

インターネット上の問題カント倫理学

Immanuel Kant , c.1790
Unknown Artist (Public Domain)
出典:https://www.worldhistory.org/Immanuel_Kant/

 

最近、カントについての本を出版しました。

 

 

この時、表紙でカントの肖像画を使ったのですが、その著作権が気になったので調べてみました。

 

 

70年

 

一番基本になるのが、絵画は著者の死語70年で著作権が切れる、という知識です。

 

以前私が別のところでした問答を辿ってみたいと思います。

 

「ベートーベンのような著名人の肖像画には著作権がかかっているのでしょうか。その著作権の制限を確認するには、どこを見たらよいでしょうか?」

回答者「画家の著作権があるかどうかで決まります。 画家の死後70年です。 したがって、シュティーラー(1781-1858)が描いた有名な肖像画(1820)には著作権はありません。 現代の画家が新たに描いたものなら、その画家の著作権が発生します。 モデル本人に著作権はありません。 パブリシティ権はありますが、歴史上の人物には適用されません。」

 

他のソース

 

上掲回答者の回答は、TPP(Trans-Pacific Partnership 環太平洋パートナーシップ)整備法を念頭に置いていると思われます。

 

それによると、絵画に限らず著作物一般が著者の死語70年で著作権の保護期間が切れることになります。

 

参照・・・文化庁:著作物等の保護期間の延長に関するQ&A

参照・・・CRIC: 著作権は永遠に保護されるの?

 

ただ、頭でわかっていても、誰かが該当著作物を私有化して、著作者の死語70年を超えても著作権を主張しているのではないか・・・

 

著作権70年間保護は日本だけの話であって世界では、なんとか国のなんとか団体が許さない、ということが起こっているのではないか・・・

 

そんな妄想が頭を支配して、今回のカント本の表紙でカントの肖像画を使うことに躊躇していました。

 

本記事は、その問題に関連して経験したことをまとめたものです。

 

つづきは次回にしたいと思います。

コメント(ディスカッション)

  1. ポン酢 より:

    10月25日の授業で「なぜ、自殺をしてはいけないのか?」という練習問題では、法律がないため倫理的に述べやすいとしていたが、「なぜ、人を殺してはならないのか?」ということは倫理の視点から述べるのであればどうなるのか気になりました。

    • ポン酢さん、ご質問ありがとうございます。

      以下のようになると思います(あくまで解答案です)。

      格率:社会生活を送る限り、「私」は人を殺さないつもりだ。

      議論(形而上学的):私たちは、お互いの生命を保存するために(※)社会を形成した。社会の中で殺人が認められるならば、その(社会形成の)基盤が失われてしまう。だから誰もが、強制的に、殺人する「権利」を奪われている。

      【注意1】本議論でのポイントは殺人禁止と自殺禁止が、同じく、社会契約論的な意味での生命保存の観点から基礎づけられる、という議論のパラレリズム(並行性)を示すところにあります。

      【注意2】※「ために」は「一般意志的な指向性として」という意味で、規則功利主義的な「帰結(目的)」を意味してません。

      【注意3】講義でも触れたことですが、この「社会生活を送る限り」が状況設定として広すぎるetcの欠点があることは認めます。しかし、その一方で、この議論は、社会「内部」での殺人禁止を説明している点で、それなりに意義はあるようにも思えます。つまり社会「外部」での殺人は認める、ということです。武士の時代でも、現代の戦争でも、社会の外部で人を殺すことは、社会内部での殺人からは峻別されます。

      以上が解答案になります。何度書いても難しいです・・・

      反論なりなんなり、好きな所に好きな時に、なにかあったら書いてください。